Helium 10とJungle Scoutでできること|リサーチ編

Amazonの製品リサーチを始める準備はできていますか?この記事では、Helium 10やJungle Scoutのツール・機能を徹底的に調べます。

利益や在庫の出荷をモニターするツールに目を向ける前に、利益の出る製品を見つける必要があります。 Helium 10かJungle Scoutかを決めるに際して、そのはじめの一歩を踏み間違えないことこそが、究極的にはあなたのAmazonビジネスでの成功の礎となるのです。

さて、Helium 10とJungle Scoutはどのようなツールをユーザーに提供するのでしょうか?

製品リサーチ – Helium 10 vs Jungle Scout

以下に挙げる製品リサーチツールは、通常であれば何時間もかかる退屈な製品リサーチを、わずか数クリックでできるようにすることを目的としています。

Helium 10 – “Black Box”

20億以上の製品データベースを持つ”Black Box“は、オールインワンのAmazon製品リサーチツールのeコマーススタンダードであり続けています。このAmazonリサーチツールは、製品カテゴリ、推定月間売上高、価格、重量、レビュー評価、画像数、出品者数などを介してAmazon製品を検索することができます。

“Black Box”はまた、追加の検索タブを設置することで、さらなる機能を提供しています。“Keywords Tab”では、ユーザーがカスタムした条件にマッチする、高パフォーマンスのキーワードを検索することができます。

“The Competitors Tab”(競合製品タブ)では、ユーザーが製品のASINを入力すると、入力したASINに関連する類似キーワードでランキング上位の競合製品に即座にアクセスすることができます。

或いは特定のキーワード群の製品について、より簡略化されたパフォーマンス概要を見たいという方向けには、”Black Box”の”Niche Tab”があります。

“Black Box”は、他のAmazonセラーツールにはない独自のフィルタリング機能を備えており、Amazonの製品リサーチに労力を集中することができます。例えば、Amazonで月に5000回以上検索され、オーガニック検索結果のトップ10にレビュー150件以下の製品が5つ以上あり、1万ドルの収益を上げている製品が6つあるキーワードを見る、といったようなことが、 ボタンをクリックするだけでできてしまうのです。

“Black Box”は世界12カ国で利用可能です。

操作画面

検索フィルター

検索結果

Jungle Scout – “Product Database”

業界で初めてこの手のリサーチツールをリリースしたのはJungle Scoutでした。4億7500万点以上の製品を収録した”Product Database“は、Helium 10の”Black Box”とほぼ同じ機能を備えています。検索ボリューム、Amazonセラーの種類、推定売上高などをもとに、見込みのある製品を1つの便利なダッシュボードで検索できます。

Jungle Scoutの”Product Database”はHelium 10ほど強固ではありませんが、”Listing Quality Score”や“min/max net filter”など、素晴らしい指標ないしはフィルターをいくつか補足的に提供しています。

“Product Database”は10カ国で利用可能です。

操作画面

検索フィルター

検索結果

Jungle ScoutがAmazon製品リサーチツールをHelium 10とは異なる構造で展開していることは、注目するに値します。

例えば、Jungle Scoutには”Opportunity Finder”というツールがあり、ユーザーは、カテゴリーや一連のデータ(検索ボリュームなど)を入力して、ニッチ(或いは適切なビッグワード)及びその時の市場における成功確率をリサーチすることができます。このAmazon FBAツールには“average units sold history”(平均販売個数履歴を表示する機能)まで含まれており、製品リサーチに付加価値を与えることができます。

Helium10では、Jungle Scoutの”Opportunity Finder”のこれらの機能は、先に説明した”Black Box”のKeywords Tabの中にも含まれており、簡単に見つけることができます。“Black Box”の“Keywords Tab”には、「平均販売台数履歴」こそ無いものの、フィルタリング機能がいくつか、並んで競合他社のレビューやmin/max title density(特定のキーワードをタイトルに入れている商品が検索結果の1ページ目にどのくらいあるかを表す指標)を検索する機能が追加で提供されています。

注目すべき点
要するに、Helium 10とJungle Scoutの製品リサーチツールは、オンラインで販売する次の製品を探しているセラーにワールドクラスのデータトラッキング技術をもたらしていることには変わりありません。

両ツール共に、検索ボリュームやその他の様々なパラメータに基づいて、既存のAmazonの製品を簡単に吟味する方法を提供しています。どちらも、季節性やどの月が特定のニッチ分野でベストセラーであるか等について、洞察を与えてくれます。

各機能が小さなツールに分割されているJungle Scoutか、むしろ逆にオールインワンなアプローチをするHelium 10か、結局のところは、あなたが製品リサーチツールをどのように構成するのが好きかということになります。

製品有用性 – Chrome拡張機能

“Helium 10とJungle Scoutはどちらも、見やすいユーザーインターフェースをした、多くの同じデータを含む、独自のブラウザ拡張機能を提供しています。両ブラウザ拡張機能において、他では扱われていないような特殊な製品検索結果ページを、Amazon上で直接閲覧することができます。これには以下のような重要な製品検証データが含まれます。

  • 月間売上
  • 平均売上高
  • 平均価格
  • 平均ベストセラーランク
  • AmazonFBA手数料の見積もり
  • セラー数
  • その他”

操作画面

注目すべき点

どちらのAmazon拡張機能も、あなたが欲しいコアな情報を見せてくれるのでしょうか?答えは、YESです。ただし、これは凡そなんにでも言えることですが、違いとは細部にこそ宿るものであり、Helium 10が輝き始めるのは、まさにその細部なのです。

Jungle Scoutでは製品のバリエーション(色、サイズなど)を示すサインがないのに対し、Helium 10では小さなドロップダウンの矢印が表示されています。製品を吟味する段階では、バリエーションを表示して、ある製品の販売履歴がその1種類だけなのか、それとも様々な色やサイズで販売されてきた履歴を持つのかを判断することは非常に重要です。

Helium 10のもう一つの特徴は、”Profitability Calculator“(収益性計算機能)を搭載しているこ です。このインタラクティブな計算機は、Amazonのどの製品ページでも使用することができ、ユーザーは利益に主眼を置いた推定データを表示するだけでなく、自分の数字にプラグアンドプレイして、それが自分の収益にどのように影響するかを確認することができるのです。

製品レビューの一括リサーチにおいても、Helium 10とJungle Scoutは、製品レビューをエクセルファイルにダウンロードすることができますのでご安心ください。ただし、Helium 10の”Review Insights“(レビュー分析機能)であれば、製品のバリエーションごとにレビューを切り分ける機能があり、ユーザーはすべてのレビューで最も使われたフレーズを確認することが可能です。

最後に、Helium 10の”Demand Analyzer”(需要分析機能)は、Shopify、Etsy、Pinterest、Alibabaで使用でき、キーワードを抽出し、製品の検索ボリュームをAmazonと比較することができます。

そしてなんと更に、Helium 10の”Xray”(Chrome拡張機能の呼称)は、Walmart.comでも使用することができるのです!

両Chrome拡張機能には、Amazonにリアルタイムで表示されるウィジェットが付属しています。どちらも、任意の製品の毎月の売上、寸法、価格の履歴を表示するビジュアルグラフを表示可能です。

Helium 10のヒストリーグラフ

Jungle Scoutのヒストリーグラフ

仕入先を探す

Amazonで販売したい製品アイデアが見つかったら、それを生産するメーカーを探す必要があります。サプライヤーを吟味し、交渉し、選択するという行為は、Amazonビジネスを行う上で、コスト面でも関係構築の面でも最も影響のある決断です。Helium 10やJungle Scoutは、そのためのツールを用意しています。

Jungle Scoutは、”Supplier Database”を提供しています。セラーは、この簡素なAmazon FBAツールを通じて製品・会社・サプライヤー・ASIN等で検索でき、適切な製品調達の専門家と繋がることができます。

これとは対照的に、Helium 10 Supplier Finderは、Chrome拡張機能に直接埋め込まれた機能です。ボタンをクリックするとインターネット最大の製品調達市場であるAlibabaに直接飛ぶことができます。

サプライヤーを見つけるにおいては、その過程が相違点になり、結果については差がありません。Helium 10とJungle Scoutは異なるデータベースを使用しているものの、最終的にAmazonセラーが到達するゴールは同じなのです。

トレンド発見ツール

Jungle ScoutのツールのうちHelium 10にないものの1つが、”Category Trends”というツールです。 the Category Trends tool.

Jungle Scoutの”Category Trends”を利用することで、ユーザーはAmazonの新製品にどのカテゴリーを付けるのが最適なのかをリサーチすることができます。このAmazonセラーツールでは、各親カテゴリとサブカテゴリのベストセラーランク(BSR)上位100製品を閲覧することができます。また、過去3日間に渡ってこのデータの履歴を見ることもできます。

Helium 10はこのツールの独自のバージョンこそ持ってはいませんが、ツールスイートには同じデータを閲覧できる機能が備わっています。これは、”Black Box”ツールを使い、BSR 1-100の結果のみをフィルタリングして検索を実行することで可能となります。

また、Helium 10は、”Trendster”という簡単に扱えるツールを提供しており、ユーザーはAmazon BSRのトレンドとGoogleのトレンドを直接比較し、さらに深い洞察を得ることが可能です。

リスティングリサーチ

Amazonセラーであれば、製品リスティング戦略において、自分のリスティング以外にも目を向ける必要があります。自社ブランドで勝てる製品ページを作る前に、「良いリスティングとはどんなものなのか」を正確に知ることが重要です。幸い、これを解決する機能は両Amazonツールスイートにあります。

Helium 10の”Listing Analyzer”は、ASINを(1つまたは複数)入力することで、リスティングの状態を詳細に査定することができます。”Listing Analyzer”は、(英語等の言語における)箇条書きの頭文字の大文字化がされているか否か、製品ビデオの有無、レビュー数などの要素に基づいてAmazon製品ページを査定します。

また、検索したASINを市場平均の売上、価格、収益、BSR、レビュー/評価と比較し、「市場分析」をしてくれるのです。このツールは、Amazonのリスティングを、1つ1つみていくのではなく、市場全体の文脈で全体的に見ることができるという点で、非常に重宝します。さらに、この“Listing Analyzer”にはキーワード分析機能があり、セラーは現在上位10位以内にあるキーワード及びその検索ボリュームにアクセスすることができます。

極め付けには、 “Listing Analyzer”であれば、ユーザーは複数のASINを一度に入力し、ツール内で複数のリスティングを直接比較することができます。

操作画面

他方、Jungle Scoutにも“Listing Grader”があります。このツールは、ユーザーが任意の単一のASINを入力し、リスティングタイトルの文字数、製品の特徴の数、説明の文字数、および製品画像の数と解像度などといった要素に基づく査定を受け取ることができます。“Listing Grader”は1つの製品リスティングを詳しく見るには最適ですが、複数のASINを同時に直接比較することができないという点で、不十分であると言えます。

操作画面

キーワードリサーチ

Amazonマーケットプレイスでの新製品の成功を決定づける最も重要な要素とされるキーワードリサーチとはすなわち、Amazonでトラフィックが高く(つまり買い手が探し求めており人気があって)、且つ競合が少ないキーワードを、セラーが新たに見つけようとする行為を指します。

Helium 10とJungle Scoutは、Amazonの検索データの膨大なライブラリから引き出す包括的なキーワードリサーチツールを提供しています。今回比較している他の多くのツール同様、Helium 10とJungle Scoutのキーワードリサーチツールは、販売者がキーワードの検索ボリューム、現在のランキング、および検索傾向を表示するのに役立つデータ機能において、多くの共通点を含んでいるということを鑑みて、ここでは、この2つのツールの違いに焦点を当てて紹介します。

Helium 10 – “Cerebro“

まず、Helium 10の“Cerebro”を見ていきましょう。“Cerebro”はHelium 10で最も使われているツールの1つで、Amazonキーワードリサーチツールの絶対的基準であり続けています。視覚的に整理されたダッシュボードと一目でわかる指標の提供以外にも、このキーワードリサーチツールはいくつか面白い機能を兼ね備えています。

“Cerebro“には、”Amazon Recommended Keywaords”(Amazonおすすめキーワード)、すなわちAmazonから直接提供されるキーワードの提案が含まれています。”Amazon Recommended Keywaords”は、そのキーワードに関連する製品を販売している場合に、Amazonが広告を出して欲しいと考えているフレーズを指します。これは、Jungle Scoutのキーワードリサーチツールには含まれていない、一番信用のできる貴重な情報です。

また、“Cerebro“を使用していると、“Cerebro IQ Score”なるものがあることに気づくかもしれません。これは、Helium 10のカスタムスコアで、検索ボリュームと競合製品の数を1つの指標で直接比較するものです。この機能はJungle Scoutにはありませんが、これらのデータ(検索ボリュームと競合製品の数)は別々に含まれてはいるので、工夫すれば同じ情報を得ることができます。ただ、Helium 10は、利便性の実現のために、これらの指標を1つのスコアに組み込むことで、作業を簡略化してくれています。

最後に、“Cerebro”はASIN検索履歴を記憶してくれるので、最近検索したASINを逐一入力したくない場合、または数ヶ月前に行ったリサーチの結果を引き出して今日と比較したい場合、ツールは自動的にそれらを保存します。これはJungle Scoutのツールではまだ見ぬ機能です。

操作画面

Jungle Scout – “Keyword Scout”

Keyword Scout“とは、“Cerebro“に対する Jungle Scout側の対抗馬です。このツールには、見過ごせないほど便利な機能がいくつかあります。“PPC Bid”(PPC入札額)欄には、完全一致検索におけるPPC広告のコストの推定中央値が表示されます。“Ease to Rank”(上位ランクの狙いやすさ)欄には、各キーワードに対して「簡単/中程度/難しい」(easy/moderate/hard)といった簡単な評価が表示されます。“Recommended Promotions”(おすすめプロモーション)欄には、7~14日間でトップ3ランキングに到達するために1日あたり必要な推定プロモーション回数が表示されます。

操作画面

注目すべき点

“Helium 10とJungle Scoutは、”average organic rank and average sponsor rank”(「特定の商品を検索結果画面で上位に表示させるにはどのようなキーワード/フレーズを用いるとよいか」について、オーガニック検索/スポンサー検索それぞれにおいてランキング形式で提示する機能)など、確かに多くの同じフィルタリング機能を共有しています。ですが高度なフィルタリング機能に関しては、Helium 10が業界をリードし続けています。その理由は、Helium 10の“Cerebro”が、以下の内容を提供していることにあります。

1. ”Include/Exclude Phrases filter” – 単語単位での詳細なフレーズの考察が可能です。

2. “Advanced Rank Filter” – ユーザーが指定した任意の範囲に、少なくとも1つのASINがランクインしているようなキーワードを、すべて表示します。

3. ”Title Density filter” – タイトルに特定のキーワードまたはキーワードフレーズが含まれるリストが1ページ目に何件あるかを表示します。”

備考:“Cerebro“には、Helium 10が提供する”Magnet”という補助ツールが付随します。”Magnet”を使うと、セラーはさらに踏み込んだキーワードリサーチを行うことができます。キーワードまたはキーワードリストを入力すれば、ルートフレーズに基づいて、数千もの更なるキーワードを瞬時に取得できます。”Magnet”はいわば、Amazonキーワードの「スーパー類語辞典」のようなものなのです。

Helium 10の“Cerebro”と”Magnet”は、オーストラリアや日本を含む12の国際的なAmazonマーケットプレイスのみならず、Walmart.comでも動作します。

Amazonのキーワードリサーチに関しては、Helium 10の方が上回っており、Jungle Scoutに取って代わるべき最も踏み込んだツールセットであると言えます。